建築・デザインの分野で活躍中の「匠」にさまざまな視点から設計の明日を語っていただきます。
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建築家は体感した人に明快な答えを与えられるようにその過程で最善を尽くすことだと思います。
また、クライアントが見ているものを見る様に心掛けています。そこに本質があるからです。
しかし最も大切なことは、ご縁を大切にすることだと思っています。

クライアントと設計者と施工者が同じベクトルを持つことが大切。
 単純ですが、クライアントに心より喜んで頂けたときや依頼してよかったと思って頂けたときです。よい建物をつくるには、クライアントと設計者と施工者が同じベクトルを持つ事が大切だと思っています。建物が完成した時に「私がここを考えた」とか、「ここは私が造った」とクライアントに限らず工事に携わった人達がそう思えたら成功だと思っています。

 また、ディテールの拘りが具現化した時も喜びもあります。なかなか気付いてもらえないもので、一見自己満足とも思われがちですが、感覚的に綺麗と思えたり使いやすいと思えたりするその空間を活かしているものが拘りだからです。

今までの経緯を無視して突然生まれたものに納得している自分が面白かったです
 面白い依頼としては車を整備することができる趣味の空間を併設するガレージでした。クライアントの要望は一言「カッコイイものを創って」でした。たった一つの単語から創造する空間は無限で、四六時中考え幾つかの構想を練っていたのですが、提案したものはそれまでのものとは全く異なるもので、何か別のことを考えていた際ふと頭に浮かんだものでした。今までの経緯を無視して突然生まれたものに納得している自分が面白かったです。クライアントも全く想像していなかったそうです。

 やりがいがあったと言えば銀座のキャビアバーです。クライアントから無限に溢れてくる思いが時に私の思考を混乱させましたが、情報を整理しながら一つ一つクライアントの考えを出来うる限り最善の方法で構築する可能性を探りながらの作業は、クライアントにも気に入って頂け、私自身勉強にもなったやりがいのある仕事でした。

最も大切なことは、ご縁を大切にすること
 「建築ははじめに造形があるのではなく、はじめに人間の生活があり、心の豊かさを創りだすものでなければならない。そのために設計は奇をてらわず、単純明快でなければならない。」吉村順三さんの言葉です。空間はそこを訪れた人、住まう人の感じたままが最も明快な答えであり、答えを導くための理由や説明は、時に人の感性を霞ませてしまいます。

 建築家は体感した人に明快な答えを与えられるようにその過程で最善を尽くすことだと思います。また、クライアントが見ているものを見る様に心掛けています。そこに本質があるからです。しかし最も大切なことは、ご縁を大切にすることだと思っています。

プロフィール
權現領建築研究所  權現領 真一(SHINICHI GONGENRYO)
経歴
1964年 鹿児島県生まれ
1986年 東海大学工学部建築学科卒業
1986年 プランニングシステム株式会社
1992年 株式会社テイク・ナイン計画設計研究所
1997年 株式会社T.I.S. & Partners(意匠設計監理)
1999年 東京銀座資生堂ビル特別設計チーム
Ricardo Bofill協働Architect特別設計チーム
文化科学高等研究院研究事業一級建築士事務所
管理建築士
2002年 權現領建築研究所
コンペ活動・受賞歴
1996年 霧島彫刻ふれあいの森アートホール公開プロポーザル
1998年 千光寺山南斜面グランドデザインプロポーザル
2001年 グッドデザイン賞(東京銀座資生堂ビル)
2002年 東京建築賞【第28回建築作品コンクール最優秀賞】
(東京銀座資生堂ビル)
みつい台自治会館プロポーザルコンペ

 

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