金井の家

その道を歩いていると、住宅と畑がないまぜに姿をあらわす。
左手には畑、右手には住宅。
少し進むと、左手には住宅、右手には畑。
田舎とまではいかないけれど、でも十分に長閑な景色。
何度か枝分かれした道の突き当たりに、桜の木が一本、大きく枝を伸ばしている。
それがこの家の目印。
この家の計画は、そんな古民家の2階から始まった。
僕と大工さんはその家の2階から、よく桜の木を眺めて話をしていた。
大工さんはこの家に住んでいる。
つまり建主であり、建てる人だ。

桜の木や裏山の竹林を眺めながら、
図面と模型を間に挟んだ会話は、紆余曲折をしながら季節をふたまわりした。
通常は6ヶ月くらいだから、ずいぶんと長く設計をしていたことになる。
室内にいる時。
視線がどこへ抜けていくか。
その先に何が見えるか。
設計期間中も施工が始まった後も、そのことばかりを考えていた。

常に、空間がどのように連なっていくかということを考えながら、この家は立ち上がっていった。
これからの長い間。
建っていた古民家に負けないくらい、長い間。
この家から、桜を眺められる事を願っている。


秋山怜史

一級建築士事務所 秋山立花
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カテゴリ住宅(新築)
用途(場所) 全景,リビング,階段・廊下
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